おちらと日記

西国葡萄酒祭2026 参加レポート

皆様こんにちは。
湯の川温泉 湯宿 草菴、ソムリエールの峠(たお)ゆきえです。

今回は、3月8日(日)に島根県松江市の松江テルサにて開催されました「西国葡萄酒祭(さいごくぶどうしゅまつり)2026」に、草菴ソムリエの内田洋平と共に参加してまいりましたので、そのレポートをお届けいたします。

西国葡萄酒祭とは

「西国葡萄酒祭」は、中四国地方のワイナリーが 一堂に会する、大変魅力的なイベントです。
今回は第4回となり、鳥取・島根・岡山・広島・愛媛・高知・徳島の7府県から、個性豊かな全19社のワイナリーが参加しました。

第1回から第3回までは広島県での開催でしたが、第4回目となる今年は初めて島根県松江市での開催となりました。
充実したワインの祭典が楽しめるとあって、チケットは開催日前にすでに完売。このイベントの人気の高さが窺えました。

会場となった松江テルサのホールには、14時の開場と同時に多くのワイン愛好家の皆さまが集まり、時間が経つにつれて会場はどんどん賑やかになっていきました。
参加者の方々がグラスを傾け、造り手の方々と言葉を交わしながら楽しまれている光景は、ワインというものが単なる飲み物を超えて、人と人とをつなぐものだということを改めて感じさせてくれました。

なお、来年も松江テルサにて開催予定とのことです。ご興味のある方は、ぜひ今からご予定に入れておかれることをおすすめします。

会場の様子

会場には各ワイナリーごとのブースが並び、ワインの試飲やボトル販売が行われていました。また、フレンチ・イタリアン・ジビエ・パン・チーズなど、ワインと相性抜群のフードブースも充実しており、試飲だけでなく食との組み合わせも存分に楽しむことができました。
フードブースには、島根県内のレストランや食品メーカーが出店し、島根の食も一緒に楽しめる魅力的な企画になっていました。

事前販売されていたチケットには、各ワイナリー1杯ずつ、合計19杯分の試飲、リーデルグラスの貸出、入場料がすべて含まれており、手ぶらで参加できるのも嬉しいポイントです。

私たちは今回、各ワイナリーから1種類ずつ、合計19種類を試飲させていただきました。

充実のラインナップ

試飲前から「どれを選ぼうか」と迷ってしまうほど、各ワイナリーのラインナップは個性豊かで充実していました。

シャルドネ、メルロ、ゲヴェルツトラミネールといった欧州系の品種をはじめ、日本固有のヤマブドウ系の品種から造られたワインも数多く揃っており、日本ワインならではの多様性と奥深さを改めて感じることができました。

ヤマブドウ系のワインは、欧州系品種とは異なる野趣あふれる風味や渋み、独特の酸味が特徴で、これまで飲む機会がなかった方にとっても新鮮な発見があるかと思います。

日本の風土と気候が育んだ個性が、グラスの中にぎゅっと詰まっているようで、とても興味深い体験でした。

特に印象的だった2本

数ある銘柄の中から、特に心に残った2本をご紹介します。

① 広島三次ワイナリー「TOMOE シャルドネ 待月 2024」(広島県)

グラスを回さなくても香りがふわりと立ち上るほど、華やかなアロマが印象的な一本でした。口に含むと、まろやかなテクスチャーと心地よい酸味が絶妙なバランスで広がり、上品な余韻が続きます。
シャルドネらしいフルーティーさの中に、丁寧な醸造への敬意を感じる、気品ある味わいでした。
広島三次ワイナリーはご存知の方も多いかもしれませんが、こうして実際に口にしてみると、その評価の高さに深く納得できます。

② domaine tetta「ゲヴェルツトラミネール 2024」(岡山県)

ゲヴェルツトラミネールとは、主にフランスのアルザス地方やドイツで栽培されている品種で、芳醇で華やかな香りが最大の特徴です。
バラやライチを思わせるエキゾチックなアロマが印象的で、飲む前から期待が高まります。

こちらの2024ヴィンテージは、やや濁りと粘性があり、果実の凝縮感がしっかりと感じられる力強い味わいでした。
ぶどう本来のエネルギーを感じられる一本で、個人的にとても好みのスタイルでした。

岡山県のdomaine tettaは、自然農法にこだわった栽培・醸造で知られており、その哲学がこのワインにも色濃く反映されているように感じました。

ワイン造りへの情熱と、地域への想い

19社のワイナリーには、それぞれに異なる個性や醸造スタイルがありました。

しかし共通して感じられたのは、造り手の皆さんのワイン造りへの深い情熱と、自然や土地との共生を大切にする姿勢、そして地域を盛り上げたいという強い想いでした。

各ブースでは造り手の方々が直接ご説明くださることも多く、ぶどう品種や土壌へのこだわり、その年の気候との格闘など、ワイン一本の背景にある物語を聞かせていただく場面もありました。そうした言葉とともに味わうワインは、また格別の美味しさがあるものです。

ワインはその土地の気候・風土・人の手が生み出す芸術品だと改めて実感した一日でした。

おわりに

今回のイベントを通じて、中四国のワイナリーが持つ多様な魅力と可能性を、肌で感じることができました。まだまだ知らないワイナリーや品種との出会いが待っていると思うと、ワインの世界の広さに胸が躍ります。

次は実際にワイナリーまで足を運び、その土地の空気や景色を感じながら、ワインを楽しんでみたいと思っています。

今回、19社のワイナリーの個性や哲学に直接触れたことで、日本ワインへの理解がより一層深まりました。

造り手の情熱や、土地ごとの気候・風土が生み出す味わいの違いを知ることは、ソムリエとしてお客様にワインをご提案する際の大切な糧になると感じています。

草菴にお越しいただくお客様に、単に「美味しいワイン」としてお出しするだけでなく、その一本に込められた背景や物語もあわせてお伝えできるよう、これからも学びを重ねてまいりたいと思います。

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