おちらと日記

季節の変わり目こそ温泉を。温泉ソムリエが教える【秋の入浴法】

こんにちは、島根県湯の川温泉「湯宿 草菴」の内田奈緒子です。 温泉ソムリエマスターとして、日々温泉と向き合っております。

秋は一年の中でも特に体調を崩しやすい季節です。 一日の寒暖差が大きく、夏の疲れを引きずって自律神経が乱れやすい時期。 心身の不調を感じる方も少なくありません。

そんな季節の変わり目だからこそ、温泉の力を最大限に活用していただきたいのです。

今回は、当館の「湯の川温泉」を例に、秋におすすめの入浴法をご紹介いたします。

秋に適した泉質とは

まず、秋の入浴法をお伝えする前に、湯の川温泉の泉質についてご説明させてください。

当館の湯の川温泉は「ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉」、pH8.4の弱アルカリ性です。 この泉質が、秋特有の体調不良や肌トラブルに大変適しているのです。

湯の川温泉がもたらす効果

夏の紫外線ダメージが残る肌のケア

硫酸塩泉の肌再生・美肌効果。「若返りの湯」とも呼ばれ、皮膚の新陳代謝を促進します。

秋の乾燥による肌トラブル

塩化物泉の保温・保湿効果により、肌のしっとり感が長く続きます。

夏の疲れが残る体のケア

硫酸塩泉の血行促進効果で疲労回復、自律神経の調整にも役立ちます。

秋の温泉選びの際は、このような泉質に注目されることをおすすめいたします。

【入浴法①】段階的入浴法で寒暖差疲労を解消する

秋は一日の寒暖差が大きく、体が冷えやすくなる季節。 さらに夏の疲れを引きずって自律神経が乱れやすく、肩こり・冷え・不眠などを感じる方も少なくありません。

そんな時期におすすめなのが、体を段階的に温める入浴法です。 急に熱いお湯に浸かるのではなく、順を追って体を慣らすことで血圧や心臓への負担を和らげ、深いリラックスへと導きます。

段階的入浴法の手順

STEP1:かけ湯を念入りに

足先・手先から心臓に向かってかけ湯をし、体をお湯の温度に慣れさせます。 秋は特に体が冷えていることが多いため、いつもより丁寧に。

STEP2:半身浴から始める

みぞおちあたりまでの半身浴でスタート。 心臓への負担を抑えつつ、じっくりと体の芯を温めます。

STEP3:全身浴へ移行

体が温まったら、ゆっくりと肩まで浸かりましょう。 副交感神経が優位になり、心も体もふわりとゆるんでいきます。

STEP4:足湯で仕上げ

浴槽から上がる前に、もう一度足元を温めるように浅く腰掛けます。 冷えやすい足先を整えることで、湯冷めしにくくなります。

秋は「冷え」と「自律神経の乱れ」による不調が出やすい季節です。 段階的に体を温める入浴法は、血流をスムーズにし、深いリラックスをもたらしてくれます。

ぜひ秋の夜長に取り入れて、心と体をやさしく整えてみてください。

※無理をせず、ご自身の体調と相談しながらお楽しみください。

【入浴法②】深呼吸で自律神経を整える

秋は季節の変わり目で自律神経が乱れやすい時期です。 温泉の効果をさらに高めるポイントが「入浴時の深呼吸」です。

入浴中、いつもより深く呼吸(腹式呼吸)することを意識してみてください。 温泉の成分をたっぷりと身体の中に吸い込みながら、リラックスするイメージです。

入浴時の呼吸法

STEP1:姿勢を整える

背筋を伸ばして、でも力は入れずにリラックス。

STEP2:鼻から深く吸う

お腹が膨らむのを意識して、鼻から温泉の空気をたっぷり吸い込むイメージです。

STEP3:口からゆっくり吐く

お腹がへこむのを感じながら、細く息を吐くと同時に肩の力も抜きましょう。

STEP4:5〜10回程度繰り返す

入浴時にこの呼吸法を行うことで、より深いリラックス感を味わえます。

【入浴法③】湯の川温泉ならではの入浴後のケア

秋は空気が乾燥し始める季節。 入浴後のケアを意識することで、温泉の効果を長時間持続させることができます。

湯の川温泉を楽しむための入浴後のケア

STEP1:「温泉上がり湯」で保湿効果を最大化

湯の川温泉は塩化物泉の保湿効果が高く、さらに草菴は全ての浴槽がかけ流しであるため、通常の上がり湯(真水で流すこと)は必要ありません。

おすすめは「温泉上がり湯」です。 湯口から汲んだ源泉を適温まで冷まし、湯上がりに身体にかけて上がりましょう。 これにより、温泉成分の保湿ヴェールが肌をしっかりと包み込み、入浴後もしっとり感が持続します。

その後、お好みで化粧水や乳液を使用すると、温泉の美肌成分との相乗効果が生まれるのでおすすめです。

STEP2:入浴前後の水分補給

少し涼しくなってきた秋でも、入浴により水分は失われています。 入浴前後にコップ一杯ずつの水分補給を目安に行いましょう。

入浴前の水分補給で体の準備を整え、入浴後の水分補給で失った水分を補います。 ただし、「がぶがぶ飲み」は、血液中の水分が急に増え、血圧が上がることがあります。「入浴前後にコップ1杯程度」を目安に行ってください。

STEP3:入浴後ゆったりとお肌のケア

湯の川温泉は塩化物泉の保湿効果が高いため、入浴後急いで保湿ケアをする必要はありません。 入浴後も温泉成分が肌を包み込み、しっとり感が持続します。

まずは湯上りをのんびりとくつろぎ、温泉の余韻を楽しんでください。 その後、落ち着いてからお手入れをすることで、より保湿の効果が上がります。

温泉入浴とあわせるのがおすすめのドリンク

温泉入浴とあわせることがおすすめのお飲み物は、全て客室にご用意しております。

炭酸水 特に食前は、食欲増進と水分補給を兼ねた炭酸水がおすすめです。

麦茶 ミネラルを含むため、入浴前後におすすめの飲み物です。

緑茶 緑茶に含まれるカテキンは温泉の温熱効果で吸収力が高まると言われています。さらに、湯あたりを防ぐとされるビタミンCも同時に摂取できる、おすすめのドリンクです。

秋の入浴法チェックリスト

✔ 段階的入浴法で寒暖差疲労を解消する

✔ 深呼吸で自律神経を整える

✔ 湯上りのひとときを大切に、入浴前後の水分補給も忘れずに

季節の変わり目である秋。体調を崩しやすいこの時期だからこそ、温泉の力を借りて心身ともにリセットしませんか?


色づいた木々を眺めながら、ゆったりと温泉に浸かる。 そんな贅沢な時間が、皆様の体と心を癒してくれるはずです。

心身ともにリフレッシュできる、秋の温泉旅行を「湯宿 草菴」でぜひお楽しみください。

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