【島根ワイナリー】日本固有品種マスカット・ベーリーAとは！？【縁結MBA】

こんにちは！

出雲にあります温泉旅館、湯の川温泉湯宿草菴(草庵)のソムリエ&唎酒師酒神バッカスこと内田洋平(@izumo_sommelier)でございます。

今回は、私ども湯宿草菴で新しく取り扱いを開始した赤ワイン【縁結マスカット・ベーリーA】についてご紹介したいと思います。

ちょっと耳慣れないぶどう品種であるマスカット・ベーリーAですが、一体どのようなワインができるのでしょうか？製造しているワイナリーである島根ワイナリーについても併せてご紹介してみたいと思います！

島根ワイナリーって？
マスカット・ベーリーAってどんなぶどう？
マスカット・ベーリーAのワインの味わいは？

島根ワイナリーって？

縁結マスカット・ベーリーAは、島根県にあるワイナリーのひとつ【島根ワイナリー】がリリースしている赤ワインです。

島根ワイナリーとは、島根県に現在3ヶ所あるワイナリーのひとつで、県内最初に稼働を始めた島根のワインの先駆者的なワイナリーです。
島根ワイナリーの様子やアクセスなどについては、こちらの記事に詳しくまとめておりますので是非ご覧くださいませ！
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【島根観光】島根ワイナリーってどんなとこ？アクセスやワインなど詳しい情報も！

マスカット・ベーリーAってどんなぶどう？

マスカット・ベーリーAは日本が誇るワイン醸造用黒ぶどうで、日本固有のぶどう品種なんです。醸造用だけでなく、生食用としても栽培されています。

原産は新潟県で、アメリカ系のぶどう品種【ベーリー】とヨーロッパ系ぶどう品種【マスカット・ハンブルク】を掛け合わせて誕生した日本生まれの固有品種です。

透明感がありながら濃く鮮やかな色調の美しいワインができあがり、その味わいの特徴は強い果実味、特に苺キャンディのような香りはマスカット・ベーリーAの特徴を決定付ける要素ともなっています。また渋みの成分であるタンニンが少なく酸味も穏やかであることも特徴です。

甘くて濃厚な味わいのぶどうなので、昔は甘口のワインとして造り上げられる事が多かったのですが、近年では辛口に仕上げて軽やかな早飲み用(長期間熟成させることなく醸造、瓶詰め後すぐに飲むこと)のワインとして人気を集めています。

2013年7月には日本の固有品種としてフランスに本拠地を置く世界的なワインに関する総合研究機関【国際ぶどう・ぶどう酒機構(OIV)】に品種登録をされました。これは2010年に日本で初めて日本固有のぶどう品種として登録された白ぶどう【甲州】に次いで2例目で、黒ぶどう品種としては初となりました。

日本の赤ワイン用のぶどうとしては最大の生産量を誇ります(白ワイン用最大は甲州)。その生産地は、日本のワイン王国山梨県が飛び抜けて多い第1位となっており、その他に山形県や岡山県、そしてここ島根県などが生産地として知られています。

ちなみに表記として、マスカット・ベーリーAだったりマスカット・ベリーAだったりしますが、綴りは【Muscat Bailey A】となります。なのでマスカット・ベーリーA、もしくはマスカット・ベイリーAという表記が望ましいかもしれません。【ベリー】でも間違いではないのですが、果実や木の実を表す【berry】ではないことに注意が必要です。

マスカット・ベーリーAのワインの味わいは？

この度用意しておりますのは島根ワイナリーの【縁結マスカット・ベーリーA2020】です。

早速テイスティングをしてみました！

抜栓した直後から立ち昇る特徴的な苺キャンディのような香りは、グラスに注ぐことで更に強烈に感じられるようになります。砂糖を煮詰めたような甘い印象的な香りとは一変、口に含むとスッキリとした辛口の味わいを軸に、フレッシュな果実味と穏やかな酸味が広がります。後味はほのかな甘味と酸味、ほんのわずかな渋みを伴いつつキレよくフィニッシュを迎えます。

香りの主張は特徴的ですが、飲み口として初めのアタックからフィニッシュまで穏やかでスッキリとして飲みやすいので、パンチの効いたフルボディの重い赤ワインと違い繊細な味わいを用いる和食との相性は折り紙付きです。そこはやはり、日本が誇る固有の赤ワイン醸造用ぶどう品種といったところでしょうか。

個人的な印象としては、やはり早飲みで楽しむことができる世界的にも有名なボージョレ・ヌーボーに近しいような感覚を抱きました。もちろんあちらはマスカット・ベーリーAではなくガメイというぶどうを使用しているので相違はございますが、ガメイの特徴的な綿あめのような香りと、このマスカット・ベーリーAの苺キャンディのような香りにどことなく共通点を感じました。